『ベストセラーの仕掛人』刊行 2006.01 | |
以前このコーナーでも紹介したアーク出版の『出版をめぐる冒険』ですが,第2弾として『ベストセラーの仕掛人』が刊行されました。 今作は雑誌『創』や業界紙「新文化」に掲載された内容を元に,上智大学の上田康夫氏の監修でまとめられており,ベストセラーの“作られ方”を,2000年から2005年までそれぞれの年ごとに切り取っています。 昨今のヒット作の特徴のひとつに,“広告や店頭で目を引く題名”を挙げる人も多いですが,題名は重要であるもののそれだけではない……ということも本書の中では説かれています。営業担当,取次や書店員など,その本にかかわるすべての人達の課題として取り組むべき,と。 本書の帯にもある,座談会での植田氏の『本も他の商品と同じような性質を帯びてきた。仕掛けて売れるものじゃないという常識が変わってきた。』という視点が,全編に通底するものとして感じられます。 「ベストセラーを,単に一版元の“僥倖”で終わらせない」ための,現状に甘んじることなくそれを打破するための提言という側面も強いと言えるでしょう。
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